巌の急報で舞台も劇団員も混乱したが、幾度の危機を乗り越えて、残りはジョバンニとカムパネラの別れのシーンのみ。
最終幕は一体どんな終わりを見せるのか?
2人の別れ
『孤独』と『幸福』と『別れ』を経て、更に化けていくジョバンニの感情。
これが阿良也がいうところの「経験を喰らって・・」ということなのでしょう。幼少期は孤独で、巌に出会って幸福を感じ、その巌が死んで別れが訪れる。
この経験こそが、阿良也を通してジョバンニにフィードバックされている状態かと。
舞台を脇で見守る七生は、改めて巌に出会い、みんなとお芝居ができて本当に良かったと涙を流す。
ジョバンニ(阿良也)がカムパネルラ(夜凪)に手を伸ばすと、その脇をすり抜けて行ってしまう。
実はジョバンニは銀河鉄道の旅路と乗客たちとの出会いを通して、カムパネルラが死んだことに気付いている。
しかし、現実から目を背けるその醜さが、むしろ人間らしくて、観客は共感し切なく涙を誘っていた。
あれだけ死人が乗車してくる銀河鉄道。「カムパネルラだけが生きている」と考える方がおかしいですよね。
それだけ、友達の死というものは受け入れがたいのでしょう。
本来であれば、カムパネルラは音もなく立ち去り、1人残されたジョバンニは気付けば元の世界に戻っており、カムパネルラが死んだことを知らされ、銀河鉄道の夜はこれで終幕となる。
別れを知らない阿良也
カムパネルラの別れを巌との別れに重ねた阿良也は、今の感情が自分自身なのかジョバンニのものか区別がつかなくなり、台詞が止まってしまう。
引用:ジャンプ6・7号 アクタージュ 48話より
動揺する劇団員たち。
実は阿良也は夜凪や巌の嘘に気づかないふりをしていただけで、巌の死が近づいていることを悟っていた。
日に日に小さくなる体は老いのせいだと思いきかせ、巌が漏らした「これが幸せか」という独り言も、実は阿良也だけが聞いていた。
本当はずっと前から気づいていたのに、自分が気づかないふりをしていたことを再認識した阿良也。
別れを告げ、そのまま立ち去るカムパネルラの腕を掴み「(別れるのは)いやだ」と本音が漏れ、舞台に引き止めてしまうジョバンニ。
阿良也は本当の別れというものを知らなかったがために、、、
まとめ
前回、巌との別れの経験さえ喰らって更なる高みに行ったつもりでしたが、本当は巌とも別れたくないし、割り切れてみいなかったんですね。
本来、物語にないことが最後の最後に起きてしまいましたね。
これから銀河鉄道の夜はどのような最後を迎えるのでしょうか??