巌に促され、銀河鉄道の夜の最終幕に駆けつけた黒山。
黒山の目に飛び込んできたのは、明らかに別人のような芝居をしている夜凪より、カムパネルラの死(芝居の世界)と巌の死(現実の世界)の狭間で危ういほどの演技を見せる阿良也の姿だった。
役者になる前の阿良也
時間を少し遡り、阿良也が役者になる前のお話し。
毎日が死ぬほど退屈と感じていた阿良也は、道で声をかけられた女性の家に顔を出したと思えば、シャワーだけ浴びて帰るというホテルのような使い方をしていた。
しかも、女性の名前を間違えてビンタまで張られる始末。
2発目のビンタをお見舞いされようとした時、なぜか女性宅に巌が侵入してビンタを阻止してくれた。
巌は子供の頃に阿良也を街でスカウトしてから付きまとっていた。
阿良也も役者という仕事にはまるで興味がなかったが、特に行く場所もなかったので稽古場には学校をサボって昼寝や飯を食う場所として使っていた。
目の前で劇団員が稽古をしていても、目もくれなかった阿良也。
ある日、ゲームセンターで遊んでいると、巌が格ゲーの対戦相手として挑戦してきた。
巌が勝てば、阿良也は稽古に出ることが条件だ。
阿良也は自分でも分からないが、男にも女にもモテたし、物覚えもよく器用なタイプだった。しかし、毎日が死ぬほど退屈でたまらない。
そんな阿良也の心を見透かすように、阿良也が退屈と思っているのは阿良也が器用なせいではなく、阿良也がすべてを馬鹿にしているせいであることを巌は阿良也に諭す。
阿良也から見れば、人は皆自分の役割を演じる人形に見え、この世が滑稽な舞台と見えている。
引用:ジャンプ8号 アクタージュ 49話より
しかし、嘘つきだらけのこの世界で嘘をつかない覚悟をしたものを役者という。だからこそ、阿良也は役者になりたいんだということを巌に気付かされた。
運命の出会い
いつも出入りしている稽古場で、七生達に改めて「巌が何者か?」ということを、聞く阿良也。そこでも心ない一言で、一悶着を起こす阿良也と七生だったが、稽古場に星アリサが来ていた。
巌はアリサをキャスティングしたいようだったが、アリサ自身はビジネスパートナーとしてなら付き合っても良いようだが、キャスティング自体に興味はない。
超有名なアリサを一目見ようと、劇団員が集まってきた。
その中の阿良也にだけ「役者はやめておきなさい」と一言い捨てて、アリサは立ち去って行った。
理由の分からない鳥肌と巌の初めて見る後ろ姿に、口元が緩む阿良也。この時に、役者というものに少なからず興味を持ったと考えられる。
まとめ
若い頃の阿良也って、なかなかのクズ男っぽい雰囲気ですね。
そして、星アリサも阿良也を一目見ただけで才能を見抜くなんて、やっぱり天才は違うもんなんですね。